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宍戸労務管理事務所

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〒960-0111 福島県福島市丸子字町裏 2-3

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当事務所は社会保険労務士個人情報保護事務所として認定されました。

個別労使紛争問題(労使トラブル)

まずは、予防が第一義ですが、具体的には「就業規則」の充実です。
会社が労働者の権利要求に対して、「労働者の義務」をいかに周知徹底させるか、義務に違反した場合は、どうなるのか、といった社内のルールーを明確、より具体的に決めておくことです。それが「就業規則」です。

万が一労使トラブルが発生した場合は、当事者同士の話し合いをもてるかどうかです。これにより極力トラブルが外部に出ないようにします。
当事者同士の解決には、第3者(社労士等)からの助言が有効です。解決の際は、必ず和解書、解決契約書、覚書等の文書を交わすことです。

やむを得ず、外部に労使トラブルが漏れ、関係行政機関等からの調査、介入等があった場合は、丁寧に対応することが必要です。これ以上トラブルが拡がらないような努力が必要になります。
「あっせん」「調停」「労働審判」などは訴訟まで広がらないように機会とタイミングを計りながら受け入れることも必要です。

労使トラブルを分類すると以下の8つの分類

トラブル 1

「未払い残業時間等の労働時間」トラブル

労働者からの申告によることからトラブルになる場合が多く、関係機関、特に監督署からの調査により、是正勧告によって未払い賃金の支払いが生じることが多い。あわせて特に労働基準法上の「管理監督者」の定義づけが重要です。

トラブル 2

「労働条件の不利益」トラブル

不利益変更については、労働契約法8,9,10条の見極めが必要です。

トラブル 3

「安全配慮義務」トラブル

法規違反というより、民事賠償の問題になります。とくに過労死事故、うつ病自殺、脳・心疾患事故については、注意が必要です。

トラブル 4

「パワハラ・セクハラ」トラブル
会社の職場環境配慮義務違反からトラブルが生じる。不法行為、債務不履行による損害賠償に発展する危険が多い。

トラブル 5

「配置転換・出向」トラブル
就業規則の明記と周知が前提であるが、労働者の同意と絡んで、ワークライフバランスの観点からもトラブルに発展しやすい。

トラブル 6

「メンヘル不全による休職間満了と復職」トラブル

最近のうつ病等、心の病の増加に伴い、トラブルが多い。特に復職する場についてのトラブルが多く、別途休職規程などの規約を制定することが大切です。

トラブル 7

「解雇」トラブル

解雇権濫用で解雇無効となった場合の会社のリスクが非常に大きい。地位確認の訴えとあいまって賃金の支払いを含め大きな負担がかかってくる。

解雇はなるべく回避し、退職勧奨、合意退職へもっていくのが得策。

トラブル 8

「雇い止め」トラブル

契約期間満了がすなわち労働契約の終了と必ずならないことを知っておくことが必要である。有期契約の雇用については、今後ますますトラブルが増加することが予想されるので、解雇権濫用の類推適用にならないよう注意が必要です。

メンタルヘルス不全 

メンヘル不全の代表的な「うつ」については、うつ症候群の増加により、今後、企業の労務管理上大変重要なマネージメントとなってきます。

最近の「うつ」といわれるものには、従来の(※)メランコリー親和型と違ったディスチミア親和型うつ病といわれるものが多く見られます。
この型の特徴は、自分自身へ強い愛着がみられ、「秩序」というものに対して否定的であること、他罰的感情(周りがすべて悪い、自分は悪くない)があること、何より環境の変化によって急速に改善することもあるという点にあります。よく言われるように、会社には行けないが、旅行には行けるという行動です。

(※強い責任感を持ち、仕事熱心。几帳面で凝り性のため、徹底的に仕事をこなします。 しかし人に気を使いすぎるため、正直者で良心的だと評価は高いが、 本人は苦しい思いもよくする、というものです。そのストレスのためにうつ病が発症してしまう)

また、メンヘル不全には、企業の責任問題が生じる可能性が出てきます。これには、二つあります。「債務不履行責任」と「不法行為責任」です。

「債務不履行責任」は、企業の安全配慮義務です。
「不法行為責任」は、企業の注意義務の存在、違反行為に対する作為あるいは不作為です。注意義務の要件としては、①結果予見可能性と②結果回避義務があります。
とても難しい話になりましたが、従業員のメンヘル不全に対しての企業の責任は、ゼロではないということです。

トラブルが発生しやすい事項

  1. 採用時のあるいは採用前の既往症などの質問または、既往症の存在を理由に採用拒否できるかどうか。
  2. 精神疾患についての健康診断の受診を採用の条件とすることはどうか。
  3. 採用の際に既往歴について虚偽の報告をした場合はどうか。
  4. 精神疾患で休職させる場合、休職命令はいつ出すのか。
  5. 休職期間中の労務管理はどうするのか。(休職期間中の報告など)
  6. 主治医の復職可能診断書をもって復職を申し出た場合は、必ず復職をさせないとダメなのか。(休職満了時の治癒の判断はどうするのか。)
  7. 復職の際のリハビリ的な出勤は必ず必要なのか。
  8. 復職後も不完全な労務提供しかできない場合でも企業はその労働者を雇用し続けなければならないのか。(精神疾患の労働者を解雇することは可能か。)
  9. 企業は、定期健康診断と再検査受診は命じることが出来るのか。
  10. 精神疾患の労働者に対し、業務の負担を軽減することは安全配慮義務違反になるのか。

等々、メンヘル不全について企業がかかえる問題は山積しております。